Bale Clamp
ベールクランプ

日本人には「ベール」という言葉は聞き慣れないと思いますが、辞書を引きますと「原綿」や「牧草」を圧縮梱包したモノと書かれています。けれど国内の繊維産業の隆盛が過去のものになりつつある昨今では、あまりピンとこないかもしれませんね。ベールクランプは文字通り、ベールを把持するためのフォークリフト専用アタッチメントです。もちろん、今でも少なからず、こうした分野でもベールクランプは活躍し続けているのですが、今や主力の用途先は産業廃棄物の世界、いわゆるリサイクル産業の世界です。現在、一番多くベールとして取り扱われているマテリアルは故紙です。家庭や商店から廃棄されるダンボールや新聞紙などを種類ごとに分類して、規定のサイズに圧縮してベールとなった故紙は、故紙回収業者から製紙会社へ運ばれ、再び紙の原料としてリサイクルされるのです。昨今、注目されるSDGsの走りのような世界です。だいたい縦1m×横1m、奥行き2m程度の直方体に圧縮成形されることが多いようです。
ここにご紹介するベールクランプは、これらベールを横方向から直接に把持して運搬するためのアタッチメントです。直方体の安定感のある形状は、直接把持するのに最適な形状ですし、何よりパレットを必要としない点は大きな優位性です。故紙回収業者では、これらベールを1個、あるいは2個持ちするケースを多く見受けますが、製紙会社では4個持ちしている現場もあります。
また、ベールクランプはフォークリフト搭載用アタッチメントの代表選手のような存在ですが、回転機能を付加させるなど少しアレンジを加えることで様々な分野で活躍する余地を大いに残している優れモノです。四角いモノを扱っておられる企業の方には、「ベールクランプを使えば、簡単に運べるのではないか」と考えていただければ、きっと面白い世界が拡がるかもしれません。



▼本機のリフト搭載方式には、マウントタイプと呼ばれる引っ掛け式と、マストに直接入れ込むキャリッジ一体式があります。キャリッッジ一体式の方が許容荷重の面で有利に働きますが、リフトが壊れた際にはアタッチメントを残して他のリフトに載せ替え可能な引っ掛け式に汎用性の面で軍配が上がります。

▼作動方式は、複動型、別動型、サイドシフト型の3種類をご用意しています。複動型は左右のアームが同時に動くタイプ、別動型は左右のアームが別々に動くタイプ、サイドシフト型は複動型の動きに加え、荷物を把持した状態に限り、サイドシフトできるタイプです。リフト側には作動方式に従って、必要とする操作レバーの本数が異なります。複動型には3弁配管車を、別動型、サイドシフト型には4弁配管車をご用意下さい。

▼ベールクランプは、直方体の荷物であれば殆どのモノが把持対象となります。例えば、紙を圧縮したベール、アルミ缶を圧縮したベール、牧草を圧縮したベール、鉄箱などです。但し、荷物の種類によっては、アームの内側に少しばかりの工夫を加える必要が出てきます。例えば、鉄箱でしたら表面がツルツルで滑りやすいためアーム内側にゴムパッドを貼り付けたり、アルミ缶ベールではアーム内側に多数の突起を付けたりします。事前に何を持ちたいのかを教えていただけますと、弊社から最適なアーム仕様をご提案させていただきます。

▼ベールクランプには、様々な派生形があります。回転体を付加させた回転ベールクランプ、フォークを付加させたフォーク付ベールクランプ、クレーンアームを付加してフレコンバックを吊って、固化した中身をベールクランプで側面から砕く変わり種もあります。ベールクランプの姿をご覧になって、これを応用すれば、これまで不可能と思っていた作業ができるのではないかと、ピンとこられた方はご相談下さい。


 
 


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複動・別動型
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回転型
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少し変わり種
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※掲載している仕様図は標準的なモノで、様々にアレンジ可能です。